淫らにしてほしい

そらに光はない。あめがふるの。土地の人たちの肌が白くなるほど。土地の人たちの髪が金色になるほど。よりかかるのは出窓の天板。いつもこの姿勢。立たせてほしい。すわっていられないの。安息も休息も安眠もしらないの。私にも何か精神の疾患があるかしら。いえ、あったら何かしら。何もこまっていないの。生活に不自由がないの。まつむらきようこが眼に帰るために眠りが中断されるから何だと言うの。「よく眠れない」医者に言うのかしら。いえ言わない言うはずない。まつむらきようこの淫らな姿が眼に帰る苦しませてと言わせて。ひるの光はないの。いえ、だから何かしら。気分を変えるため、何か始めるかしら。いえ、始めない望まない。眼のまえから消えない幻と生きること望ませてほしい。消えないの消えないの消えない狂わせて。狂うことが許されているのなら狂わせて。ほかに何を望むの。土地の料理かしら。地域のあつまりに参加するのかしら。いえ不要。